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野球の熱中症対策グッズおすすめ10選

夏場の野球は、選手にとって過酷な環境です。特に中高生や少年野球の現場では、炎天下での長時間練習や試合が多く、熱中症のリスクが極めて高くなります。

そこで重要になるのが「熱中症対策グッズ」の正しい活用です。本記事では、野球に特化した熱中症対策グッズの選び方や、グッズ以外にも実践すべき対策方法を徹底解説します。

目次

野球の熱中症対策グッズおすすめ10選

①アイソトニック飲料

おすすめ度 

アイソトニック飲料は、野球中に失われる水分・塩分を効率よく補給できる点で、熱中症対策に非常に効果的なグッズです。特に、プレー前後の摂取に適しており、脱水やエネルギー不足を防ぐために取り入れましょう。

アイソトニック飲料とは?

アイソトニック飲料は、人間の体液(血漿)とほぼ同じ浸透圧(約0.9%の食塩濃度)を持つ飲料です。具体的には、糖分濃度が4〜6%程度で、ナトリウムやカリウムなどの電解質も含まれています。

熱中症対策としての効果

野球などの屋外スポーツでは、大量の汗をかくことで体内の水分と塩分(ナトリウム)が失われ、脱水状態や電解質バランスの乱れから熱中症に至るリスクが高まります。

アイソトニック飲料は以下のような点で有効です。

  • 水分補給のスピードが早い
    • 浸透圧が体液と同じなので、胃から腸への通過がスムーズで、吸収されやすい
  • 電解質補給ができる
    • ナトリウムやカリウムが含まれており、汗で失った塩分を効率よく補える
  • エネルギー補給にもなる
    • 適度な糖分により、プレー中のエネルギー源としても役立つ

主なアイソトニック飲料の例

  • アクエリアス(通常タイプ)
  • ポカリスエット
  • スポーツドリンク(市販の「アイソトニック」と明記されたもの)

注意点

  • 30分以上の運動では、ハイポトニック飲料(体液より浸透圧が低いもの)の方が水分吸収が早いため、併用するのも有効。
  • 糖分が多すぎる製品は、飲みすぎると胃に負担がかかるため、摂取量を調整することが重要。

②ハイポトニック飲料

おすすめ度 

ハイポトニック飲料は、特に野球の試合中や練習中のこまめな水分補給に最適。吸収が早いため、暑い日のプレーでもすばやく体内の水分バランスを整えることができます。アイソトニック飲料との使い分けを意識すると、より効果的な熱中症対策になります。

ハイポトニック飲料とは?

ハイポトニック飲料は、体液よりも浸透圧が低い飲料のことで、糖分濃度は約2〜3%と低め。電解質は含まれているものの、アイソトニック飲料よりも薄めになっています。

熱中症対策としての効果

運動中は血流が筋肉や皮膚に優先的に回るため、胃腸での吸収速度が低下します。このとき、体液より浸透圧の低いハイポトニック飲料は水分の吸収が非常に早く、脱水対策に効果的です。

具体的な効果は以下のとおりです。

  • 吸収スピードが非常に早い
    • 浸透圧が低いため、胃から腸への移動がスムーズで、腸での吸収が速い
  • 発汗による水分損失に対応
    • 汗で失われた水分をスピーディーに補うことができる
  • 体の負担が少ない
    • 糖分が少なく、胃腸への負担が軽いので運動中でも飲みやすい

主なハイポトニック飲料の例

  • ポカリスエット イオンウォーター
  • アミノバリュー(大塚製薬)
  • ヴァームウォーター

飲むタイミングと注意点

  • 運動中・直後に最も効果を発揮
  • 激しい運動で大量の汗をかいた場合、塩分濃度が低すぎると逆に低ナトリウム血症のリスクがあるため、長時間の運動では塩分タブレットや経口補水液との併用が望ましい

③アイススラリー

おすすめ度 

アイススラリーは、野球のような長時間・高強度の屋外スポーツにおいて、「内側から冷やす」飲料として、熱中症対策に非常に有効です。特にプレー前の体温調節と運動後のクールダウンには大きな効果があり、近年はトップアスリートも積極的に活用しています。

アイススラリーとは?

アイススラリーとは、氷の粒を含んだシャーベット状の飲料です。見た目は液体と氷が混ざった半固体。通常の冷たい水や飲料と比べて、冷却効果がはるかに高いのが特徴です。

熱中症対策としての効果と根拠

熱中症対策で重要なのは「深部体温(体の中心の温度)」を上げすぎないことです。アイススラリーは以下の点で非常に効果的です。

  • 深部体温を直接下げる
    • 胃に入った氷の粒がゆっくり溶けることで、冷却時間が長くなり、効率よく体温を下げる
  • 運動パフォーマンスの維持
    • 深部体温の上昇を抑えることで、疲労感や集中力低下を防ぎ、野球のプレー中の持久力が維持される
  • 通常の水や冷たい飲料より冷却効果が高い
    • 吸熱反応(氷が溶けるときに熱を吸う)を利用するため、単なる冷水よりも「冷やす力」が大きい(学術研究でも立証)

科学的エビデンスの一例

  • 日本体育大学や順天堂大学などの研究で、「アイススラリー摂取により、体温上昇の抑制、心拍数の上昇緩和、運動後の回復の促進」が認められており、プロ野球選手や五輪代表選手も活用している実績があります。

おすすめの使用タイミング

  • プレー前:約30分前に摂取 → あらかじめ深部体温を下げておく「プレクーリング」
  • プレーの合間や終了直後 → 冷却・回復のために使用

市販のアイススラリー例

  • ポカリスエット アイススラリー
  • リポビタンアイススラリー

④保冷剤

おすすめ度 

保冷剤は、「首や脇」ではなく、手のひら・足裏・頬などAVA血管が集中する部位を冷やすことで、深部体温を効率よく下げることができます。特に**手のひら冷却(パームクーリング)**は、野球の試合や練習の合間に取り入れることで、パフォーマンス維持と安全確保の両立が可能です。

旧来の誤解:「首・脇・鼠蹊部を冷やせば体温が下がる」?

従来は、太い血管が通っている首・脇・鼠蹊部(そけいぶ)を冷やすと効果的とされてきましたが、これは冷感=体温低下と混同した古い理論に基づくもので、実際には深部体温の低下にはつながりにくいと最新研究で指摘されています。

AVA血管とは?

AVA(動静脈吻合)血管は、手のひら、足の裏、頬、耳などの末端部位に存在する特殊な血管構造です。これらは熱放散のために発達しており、**体温調節を担う「天然の放熱器」**のような働きをします。

保冷剤の効果的な使い方(AVA冷却の実践)

保冷剤を使って効率よく体温を下げるには、以下の部位を冷やすのが最も効果的です。

冷却部位理由
手のひら(手掌)AVA血管が密集しており、冷却の即効性が高い
足の裏(足底)放熱部位であり、体全体の熱を逃しやすい
顔の頬〜耳周辺AVA血管が多く、顔面の冷却により熱中症のリスクを下げられる

特に「手のひら冷却(パームクーリング)」は、多くの研究で深部体温の有意な低下効果が実証されており、米軍・プロスポーツチーム・消防でも導入実績があります。

使用時のポイント

  • 冷たすぎる保冷剤は逆効果:血管が収縮し、放熱が妨げられるため、0~15℃程度の「やや冷たい」状態が理想
  • 直接肌に当てるのではなく、布越しに当てる
  • 数分〜10分間を目安に、休憩中に何度か繰り返すと効果的

市販・活用例

  • デサント「コアクーラー」
  • 小型ソフトタイプの保冷剤+タオルで包んで持たせる

⑤バケツ(足を冷やすための冷水バケツ)

おすすめ度 

「足をバケツの冷水に浸ける」というシンプルな方法は、足裏のAVA血管を冷やすことで深部体温を効率的に下げる実践的な熱中症対策です。特別な道具がなくてもでき、全身冷却に匹敵する効果が得られることから、夏の野球現場では積極的に取り入れるべき手法の一つです。

なぜ「バケツで足を冷やす」のか?

足の裏にはAVA(動静脈吻合)血管が豊富に存在しており、**体温調節に非常に優れた「放熱ポイント」**です。そこを冷水に浸すことで、全身の深部体温を内側から下げる効果が期待できます。

使用時のポイント

  1. バケツに10〜15℃の冷水を入れる(氷を少量加える程度が最適)
  2. 靴下やスパイクを脱いで、足をくるぶし程度まで浸ける
  3. 5〜10分間を目安に冷却
  4. タオルでよく拭いてから再度プレーに戻る

※冷たすぎる(5℃以下など)と血管収縮を起こして逆効果になるため注意

持ち運びができる折りたたみバケツがおすすめ

通常のバケツでは持ち運びに不便ですが、折りたたみ可能なバケツを利用すれば野球カバンに入れることもできます。また、足を入れやすいように、底の面積が広いタイプを選ぶのがおすすめです。

⑥携帯扇風機

おすすめ度 

携帯扇風機は、汗や水分の「蒸発」を加速させることで体表の温度を下げる補助アイテムとして、野球中の休憩やベンチ時間に有効です単体での使用よりも、水分(濡れタオル・ミスト)との併用が前提であり、AVA冷却や飲料補給などの根本的な熱中症対策と組み合わせることで最大の効果を発揮します。

基本的な冷却メカニズム

携帯扇風機そのものは冷風を出すわけではありませんが、風を送ることで「汗や水分が蒸発するスピード」を上げる気化熱を利用した冷却効果が得られます。

この「気化熱」による冷却は、体温調節において自然な仕組みであり、扇風機を使うことで次のようなメリットがあります。

  • 汗が乾きやすくなり、蒸発時に熱を奪うことで体表面温度が低下
  • 風が肌に当たることで一時的な涼しさを感じ、主観的な不快感が軽減
  • クールタオルやミストスプレーとの併用で冷却効果が大幅アップ

ただし、深部体温は下がらない

携帯扇風機はあくまで表面冷却(皮膚冷却)に留まるため、体の内部(深部体温)の低下にはほとんど寄与しないとされます。したがって、熱中症の本質的な対策としては補助的な位置づけです。

より効果的に使うための工夫

工夫内容
濡れタオルと併用首や顔に濡れタオルを当て、そこに風を当てると蒸発効率が上がる
ミスト+風水スプレーや冷却ミストを使ったあとに扇風機を当てると冷却効果増
首掛けタイプ両手が使えるため、野球のベンチや待機時間でも使いやすい
USB充電式長時間使用に備え、バッテリー持ちの良い機種を選ぶと安心

注意点

  • 高湿度時は効果が落ちる: 空気中の水分量が多いと蒸発が進みにくく、気化熱効果が弱くなる
  • 屋外での使用は直射日光を避ける:ファン本体が熱を持ち、逆効果になる恐れも

おすすめ携帯扇風機

  • コールマン アウトドアリチャージブルファン
  • ハイコーキコードレスファン

⑦日焼け止め

おすすめ度 

日焼け止めは、**熱中症対策の「補助的アイテム」**として重要です。紫外線から皮膚を守ることで、体温調節機能の維持や熱のこもりを防ぐ間接的な効果が得られます。表面冷却や水分補給と組み合わせて使うことで、総合的な熱中症リスクを大きく減らせます。

「日焼け=軽度の火傷」という事実

紫外線を長時間浴び続けると、皮膚が炎症を起こします。これがいわゆる「日焼け(サンバーン)」であり、医学的には**軽度の熱傷(やけど)**の一種です。皮膚の広範囲が炎症を起こすと、

  • 代謝が過剰に活発化し、体内の熱がこもる
  • 体温調節機能が乱れ、熱中症のリスクが高まる
  • 皮膚のダメージによって免疫や回復力が低下する

といった、間接的な深部体温上昇が引き起こされます。

日焼け止めの熱中症対策としての役割

日焼け止めは本来、紫外線による皮膚ダメージの防止が主目的ですが、結果的に以下の効果が熱中症予防に貢献します。

  • 皮膚炎症を防ぎ、体温上昇を抑える
  • 水分蒸発(発汗)や体温調節の機能を正常に保つ
  • 疲労感や不快感を軽減し、熱中症の前兆に気づきやすくなる

つまり、日焼け止めは**「熱をこもらせない皮膚環境」を維持するための重要アイテム**といえます。

野球での適切な使用方法

部位注意点
顔(特に頬・鼻)汗で流れやすいため、ウォータープルーフタイプ推奨
首の後ろ直射日光を受けやすく、炎症の起こりやすい部位
腕・耳・手の甲ユニフォームから露出しがちで、見落としやすい

※1〜2時間おきの塗り直しが理想。特に汗をかいた後やタオルで拭いた後は再塗布を。

SPF・PAの目安

  • SPF30〜50+:炎天下での野球にはこのレベルが推奨
  • PA+++以上:UVA(肌の奥に影響)の対策としても必要

⑧クーラーボックス

おすすめ度 

クーラーボックスは、アイススラリーや冷却飲料、保冷剤、冷水などの温度管理を維持し続けることで、野球の現場における予防・応急対応・体温管理のすべてを支えるインフラアイテムといえます。

クーラーボックスは「冷却物の保冷インフラ」

クーラーボックス自体が直接体を冷やすわけではありませんが、以下の冷却グッズの保管と運用に欠かせない「ベースアイテム」として機能します。

  • アイススラリーの保存(シャーベット状を維持)
  • 冷却用ペットボトル飲料・ハイポトニック飲料の冷却保持
  • 保冷剤や冷却タオルの予冷
  • バケツ冷却用の水や氷のストック管理
  • 緊急時の氷嚢作成や冷水パックの保管

実践的な使い方(野球現場での活用例)

内容物目的・用途
凍らせたペットボトル飲料飲用+保冷材代用+融解後に水分補給
アイススラリーシャーベット状の維持のための冷却必須
保冷剤(ハンディ型・手のひら冷却用)AVA冷却用にすぐ使える状態でキープ
冷却ミストや濡れタオル冷却効果を維持し、扇風機と併用
小型氷嚢 or ビニール袋+氷応急処置や身体冷却用
氷+冷水バケツ足冷却用に使用(氷水のベース)

選び方のポイント

  • 保冷力の高いハードタイプが基本(炎天下ではソフトタイプは保冷力が弱い)
  • 容量は20~30L以上推奨(チーム・複数人対応)
  • キャスター付きタイプだと移動が楽(野球場などでは重要)

⑨ネッククーラー(冷感ネックリング)

おすすめ度 

ネッククーラーは、首の皮膚冷却によって“暑さの不快感を軽減する”補助的アイテムです。体感的には非常に有効で、熱中症の予防的対応や快適さの維持には役立ちますが、深部体温を効果的に下げるには別の冷却法(手のひら冷却・アイススラリー等)との併用が不可欠です。

ネッククーラーとは?

ネッククーラーは、28℃前後で自然凍結するPCM素材(相変化素材)を使ったリング型の冷却グッズです。首に装着することで、ひんやりとした感覚を持続的に得られるアイテムとして普及しています。

ネッククーラーの効果:補助的な冷却+体感的安心感

  • 首周りの皮膚冷却による主観的な快適感
    • 表面温度が下がることで、“涼しい”と感じやすくなり、熱中症の不快な前兆(吐き気・だるさ)を軽減する効果が期待されます。
  • ただし、深部体温を下げる効果は限定的
    • 首の大血管(頸動脈)は皮下脂肪や筋肉で保護されており、ネッククーラーでそこを冷やしても深部体温はほぼ変化しないとする研究もあります。
    • また、AVA血管が集中する部位(手のひら、足裏など)とは異なり、体温調節機能における熱放散効果は弱い
項目評価
体表温度の低下◎(皮膚冷却により、汗が引きやすくなる)
深部体温の低下△(あくまで間接的で限定的)
主観的な涼しさ◎(熱中症予防における心理的安心感は高い)
装着の簡便性◎(手ぶらで動けるため野球中も支障が少ない)

特におすすめの使用場面

  • 野球の練習前のウォームアップ時やベンチ待機中
  • 炎天下での当番・スタッフ作業時(選手だけでなく監督や審判にも)
  • 小中学生など“暑さに弱い世代”の初期対策グッズとして

注意点・限界

  • 外気温が高すぎるとすぐ溶けるため、予備を複数持つ or クーラーボックスで再凍結が必要
  • 28℃凍結タイプは保冷剤より冷たさがマイルドなので、即効性を期待するシーンには不向き
  • 過信は禁物:熱中症の本質的対策(AVA冷却・水分補給)とは目的が異なる

⑩冷感ポンチョ・冷却ポンチョ

おすすめ度 

冷感ポンチョは、広範囲を包み込んで一気に体表温を下げる“面の冷却”アイテムです。日差しの遮断と気化熱による冷却を同時に実現することで、熱中症の予防と快適性の維持に優れた効果を発揮します。AVA冷却・飲料補給・アイススラリーと組み合わせることで、より高い熱中症対策が可能です。

冷感ポンチョとは?

冷感ポンチョは、冷却素材や吸水性生地に気化熱の仕組みを組み合わせた、着るタイプの冷却グッズです。主に以下のような構造が採用されています。

  • 吸水冷感素材(ポリエステル+ナイロン)
  • 濡らして振ることで冷却効果が復活
  • UVカット+通気性+速乾性の機能つき

冷感ポンチョの効果:気化熱と直射日光遮断のW効果

  1. 気化熱による表面冷却
    • 濡らしたポンチョが蒸発する過程で皮膚表面から熱を奪う
    • 広範囲に渡って皮膚温を下げ、体感的な熱さを大きく軽減
  2. 直射日光を遮ることで“熱の発生”自体を抑える
    • 通常の衣服よりも熱吸収の少ない反射系素材やUVカット加工
    • 日光を浴び続けることで起こる皮膚の過熱や日焼けダメージを防ぎ、間接的に深部体温の上昇も抑える
  3. 「広い面積を一度に冷やせる」ことがポイント
    • 手のひら冷却(AVA血管)や保冷剤が“点”での冷却なのに対し、冷感ポンチョは背中・肩・胸など広範囲を包み込んで冷却

活用シーンとメリット

シーン活用の目的・効果
野球の試合前やベンチ待機中クールダウン・深部体温上昇の予防
試合後・練習後のクールダウン回復促進と疲労軽減
炎天下でのスタッフ作業・審判日焼け・熱こもりの防止
小中学生の試合観戦時親や指導者の付き添いに有効

注意点と限界

  • 風がない場所では気化熱効果が弱まる → 携帯扇風機や自然風との併用で効果アップ
  • 濡らしたまま長時間使用すると蒸れやすい → 乾いたら再度濡らして使用
  • 冷却効果はあくまで表面冷却レベル → AVA血管冷却や冷却飲料と組み合わせると◎

野球の熱中症対策グッズの選び方

アイソトニック飲料で練習中の水分・電解質補給

アイソトニック飲料(ポカリスエットなど)は、体液に近い濃度で電解質を含むため、練習中の発汗によって失われたナトリウムやカリウムを効率的に補うことができます。激しい運動中でも素早く吸収され、持久力の維持にも効果的です。

ハイポトニック飲料で運動後の回復を早める

運動直後は脱水状態で吸収スピードが重要。ハイポトニック飲料(アクエリアスゼロなど)は浸透圧が低く、腸からの水分吸収が速いため、素早い水分回復に適しています。冷たくして飲むとさらに効果が高まります。

アイススラリーで体の中から急速冷却

アイススラリーは「飲める氷」とも呼ばれ、体内から体温を下げる最先端の冷却法。冷却効果が非常に高く、内臓からの熱放散を促進します。熱中症の予防だけでなく、暑さによるパフォーマンス低下を防ぐのにも有効です。

保冷剤はAVA血管の冷却に使う

手のひら、足の裏、頬などにはAVA血管(動静脈吻合)と呼ばれる体温調節に特化した血管が集中しています。そこに保冷剤を当てることで、深部体温を効果的に下げることが可能です。首や脇よりも冷却効果が高い点に注目しましょう。

バケツに水を張って足先を冷やす

足の裏もAVA血管が集中する部位。試合や練習の合間に、バケツに冷水を張って足をつけることで、短時間でも効果的に体温を下げることができます。低コストかつ高効果な方法として、チーム備品として常備するのがおすすめです。

携帯扇風機で汗の蒸発を促す

風を当てることで汗の蒸発が加速され、体表面の温度を下げることができます。ネックファンやハンディタイプの扇風機は、手軽で場所を選ばずに使えるため、休憩中の選手のクールダウンに最適です。

日焼け止めで熱吸収を抑える

肌が日焼けすると皮膚温が上昇し、熱が体にこもりやすくなります。SPF値の高い日焼け止めを使用することで、皮膚の炎症と熱の吸収を防ぎ、熱中症のリスクを下げることができます。露出する顔や首、腕は特に入念に。

クーラーボックスで冷却グッズを維持

保冷剤・冷却飲料・アイススラリーなどを現場で冷やしておくには、クーラーボックスが必須です。氷や保冷剤を多めに入れて、長時間でも安定した冷却環境を作りましょう。選手数に合わせた容量選びも重要です。

ネッククーラー・冷感ポンチョで持続冷却

電動のネッククーラーや接触冷感素材のポンチョは、着用するだけで体温上昇を抑える優れたグッズです。電源不要のタイプもあり、移動中や待機中の選手にも活用できます。特に外野やベンチでの使用がおすすめです。

野球は熱中症のリスクが高いスポーツ

長時間の屋外プレーによる負荷

野球の練習や試合は2~4時間に及ぶことが多く、直射日光下での連続した運動は体温の上昇を引き起こしやすくなります。特に休憩時間が不十分だと、体の熱がこもったままになりやすいのが問題です。

ユニフォーム・防具の通気性の悪さ

帽子や長袖アンダーシャツ、キャッチャー防具などは通気性が悪く、体温の放散を妨げます。特にヘルメットは頭部の熱放散を抑えてしまうため、熱中症の発症リスクが高まります。

グラウンドの照り返しによる体感温度の上昇

黒土や人工芝は太陽の熱を吸収・反射し、実際の気温よりも5℃以上高く感じられることがあります。足元からの熱によって、下半身の温度が上昇することも無視できません。

水分補給のタイミングが制限される

試合中や守備中は水分をとるタイミングが限られ、無意識のうちに脱水が進行してしまうケースがあります。ベンチに戻ったときだけでは不十分なため、ウォーターブレイクの導入が必要です。

野球は熱中症対策が必須

チーム全体でのルールづくり

練習前後やイニングの合間に必ず給水を行う、30分ごとに日陰で休憩を取るなど、明確なルールを作ることで選手の安全が確保されます。口頭の注意ではなく、書面やチェックリストで可視化することも有効です。

自主申告できる選手教育の重要性

選手自身が「自分の体調の異変」に気づき、遠慮せずに申告できる環境づくりが大切です。軽度の症状でも相談しやすい雰囲気を日頃から作っておくことが、重大事故の防止につながります。

保護者・指導者の意識改革

熱中症は「気合い」で乗り切れるものではありません。古い価値観を捨て、科学的根拠に基づいた対策を採用できる指導者が求められます。保護者も、選手の睡眠・食事・私生活面からサポートが必要です。

必須アイテムの備蓄と管理

熱中症対策グッズをその場しのぎで準備するのではなく、常に備蓄し、補充やメンテナンスを定期的に行うことで、いざという時に確実に対応できます。チェックリストを作って管理しましょう。

グッズ以外にやるべき熱中症対策

熱順化トレーニングの導入

気温が高くなる前から、日中のランニングやウォーキングを取り入れることで、発汗能力や血流量を高め、体が暑さに強くなります。2週間程度のトレーニングで、体温調節力が大きく向上します。

栄養・食事によるミネラル補給

水分とともに塩分・ミネラル(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)を適切に摂ることが、脱水症状や熱けいれんの予防になります。スポーツドリンクや経口補水液、梅干し、おにぎりなども効果的です。

睡眠・生活習慣の改善

睡眠不足や疲労の蓄積は、体の熱放散機能を著しく低下させます。特に試合前日は7〜8時間の睡眠を確保し、スマホの使用や夜更かしを避けましょう。コンディショニングの一環として習慣化が必要です。

練習時間・場所の工夫

真夏の午後を避け、早朝や夕方に練習をシフトする、体育館や日陰スペースを活用するなど、環境に応じた柔軟な対応が求められます。気温・湿度を測定し、WBGT値を目安にするのも有効です。

まとめ

野球における熱中症対策は、命とパフォーマンスを守るために絶対に欠かせない取り組みです。グッズを正しく選んで使うだけでなく、日頃からの習慣づくり、チーム内での共通意識、生活面のサポートを通して、総合的に対策を講じることが求められます。「うちは大丈夫」と思わず、あらゆる角度からの対策を徹底することで、選手が安心して全力を尽くせる環境を整えましょう。

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